東京の街に出てきました。
いきなり東京行きを思い立ったキッカケはこのイベントでした。
十三月の4年ぶり「セミファイナルジャンキー」にGEZAN、踊って、imai、どつ、moreru、高倉健ら
2019年の全感覚祭で体験した空気感がとにかく衝撃で、同じGEZAN主催で毎年開催しているセミファイナルジャンキーもいつか行きたいな、と思っていたのですが、感染症が蔓延して2019年以降は開催されず。そして諸々あって感染症対策が緩み始めた今年、ついに4年ぶりに開催される!しかも発表から2週間後!場所はキャパ1,000人越えの渋谷 Spotify O-East!という、狂ったイベントにふさわしい狂ったニュースを発見。後先考えず、気づいた時には購入済みのチケットが手元にありました。
東京に行くのは6回目ぐらいですが、泊まりで訪れるのは高校の修学旅行以来。今回は夜23時に始まって何時に終わるかわからないイベントだったため、会場から歩いて帰れるように渋谷駅から徒歩30分くらいの場所にあるカプセルホテル(宿泊料が高かった)を予約したのですが、ここを宿に選んだのはあまり意味がなかったです。
朝早くに家を出て、13時過ぎぐらいに品川駅に到着。白金のギャラリー6C、下北沢の日記屋月日などを訪れてからカプセルホテルにチェックイン。慣れない乗り換えで時間を食ってしまい、行こうと思っていた場所は3ヶ所ぐらい諦めました。寝不足で疲れた身体を引きずってホテルの小さいロッカーに荷物を無理やり詰め込み、とりあえずベッドに横になったのですが、カプセルの中が思ったより狭いうえに換気機能が弱くて蒸し暑く、まるでサウナ状態。どう頑張っても眠れそうにない環境でしたが、それでもこのタイミングで寝ないと間違いなくライブ中にぶっ倒れてしまう…と思い無理やり仮眠を試みる事に。4時間くらい横になりましたが、実質眠れたのは終盤の30分くらい。眠れたというか暑さで気を失ってたのかもしれません。
時刻は23時過ぎ。東京に来てからまだ何も食べていないことに気づき、夜の街で外食する勇気がなかったのでホテル近くのコンビニで何か買って胃に入れようとしたのですが、食欲がなくて食べたいものが決められず。グズグズしていたら雨が降り出したらしく、大量の酔っ払いがコンビニに入ってきたので、傘だけ買って渋谷駅へ移動しました。電車を降りて改札を抜けると、夜中とは思えないほど大勢の人が駅前にいて、みんな傘を差してあらゆる方向に向かって歩いている…。人の多さと暑さと湿気でゲボ吐きそうになりましたが、なるべく人の少ない道を選んで駅前から移動。しかしどうやら全然違う方向に行ってたようで、気づいたら神泉駅とかいう知らない駅に到着していました。駅の階段の途中にある窪みみたいなところに入って体を丸め、マイナースレットのジャケットみたいなポーズをしていたら、いつの間にか日付が変わっていることが判明。だらしない自分に喝を入れて会場のSpotify O-Eastへと移動することに。しかし会場前の道路にも傘を差した大勢の人がいて、思うように先に進めず。会場に入る前から「知らない人たちがTwitterに上げていたセミファイの映像」が脳裏に浮かんで、会場の中に入ってもこんな感じなのかな…って思いました。
初めて体験した「セミファイナルジャンキー」。過去のセミファイとは異なる仕様ながら、個人的には噂通りの狂ったイベントだな、と思いました。当初は「ステージを2分割して右と左でバンドが同時演奏する」ライブだと聞いていたのですが、実際に行ってみると、通常の観客が入るスペースの床にビニールテープで仕切りが施され、その中でバンドが演奏している、というスタイルのイベントでした。しかもざっと見る限り、会場内にはステージが3つ存在している…。3バンド同時演奏ってこと?と思いましたが、タイムテーブルを見ると「2ステージで同時演奏・転換中に1ステージで別バンドが演奏」という非常に効率的な進行となっていました。
24時過ぎから最後まで居たので結構な数のライブを観ることができました。初めて生で観たBBBBBBBの音が衝撃的だったのと、penisboysのボーカル復活が嬉しかったです。
気になっていた同時演奏については、フロアにいる限りは混乱しない程度に聞き分けられるものになっていました。ただ組み合わせによっては音量の差が激しくて全く聴こえないことも。BBBBBBBとimaiが同時演奏した際、imaiサイドで観ていたのですがBBBBBBBの音が大きくてimaiさんの音がほとんど聴こえない状態でした。imaiさんが音量を上げるようPAに手で合図し、若干改善されたものの本調子とまではいかず。痺れを切らしたimaiさんが、自身のブースで音を鳴らしたままBBBBBBBのステージに乗り込み、BBBBBBBのメンバーを担ぎ上げて無理やりライブを止めようとしていてウケました。そして人の波をかき分けながらブースまで戻ってきて、曲が転調する間際に復活。うまく説明できないけどめちゃくちゃ感動しました。
会場内では同時多発的に色々なことが起きていたため、訪れた人が観た物や観ていた場所によって全然違う感想が生まれるイベントだったと思います。どちらか一方のブースに近づけば音が鮮明に聴こえる代わり、モッシュする客や狂った演者と激突する可能性もあり、どのくらいの距離感でどう見るか考えるのは、自分の身体の限界みたいなものを探っているようで面白かったです。普段バンドが演奏しているステージ、二階へ続く階段、関係者用と思われる二階席など、色々な場所で音の聴こえ方・ライブの見え方を比べたりしましたが、こういった鑑賞の仕方は滅多にできない気がして、新鮮で楽しかったです。
フロアを出て外の物販コーナーを見ていると知り合いの人に出会いました。数年前に津山で行われた青少年教育マガジンわかば展を東京から見に来てくれた方。会話を試みたのですが、フロアから漏れ聞こえる音がデカすぎてお互いの声が聞こえないという理由で(たぶん)二人ともタバコを吸わないのに喫煙スペースまで移動して少し雑談。その後少ししてフロアに戻るとGEZANがBODY ODDを演奏していました。
午前4:30頃にKK mangaがハンドマイクを客席に放り投げてフロア内に鈍い衝撃音が響き渡り、全公演が終了。会場を出るとすでに空は明るくなっていて雨も上がっていました。そして、早朝にも関わらず会場周辺には昨夜入る前に見た時と同じぐらい大量の人がいて震えました。みんなどこへ行くのか。
ゲボやゴミや鳩やカラスを避けながら渋谷駅前に向かうと、会場で出会って途中ではぐれてしまった知人とまた合流。渋谷の印象などを話しながら始発で帰りました。
会話の流れで「○○どうでした?」と聞かれたのですが、爆音を浴びて耳が死んでいたため「○○」の部分が聞き取れず。何度聞き返しても全くわからなくて、これ以上聞き返すと厄介なジジイ扱いされそうだったので「どうなんでしょうね……?」と曖昧な返事をしたら変な空気に。○○に入る言葉が「セミファイ」ではないか?と気づいたのは別れて大分後になってからで、どうなんでしょうねというあり得ない返答をしてしまったことに震え上がりました(後で連絡もらった際に謝ったら、聞き取れずに適当に返事したのバレてた)。セミファイめちゃくちゃ楽しかったです!また行きたい。
朝5時くらいにカプセルホテルに帰還。疲労が半端ないのでチェックアウトの時刻ギリギリまで寝ようとするも、前夜同様に暑苦しくて全く眠れず。結局一睡もできずゾンビ状態のままチェックアウトして、灼熱の東京をゾンビスタイルでデタラメに徘徊。覚えていない街のデカいスパで風呂に入り、国立のコレノナで知らない人が描いた絵を4枚買い、中野のディスクユニオンで機関車のCDを購入しました。
その後は熱海へ行きました。熱海の話はわかばメガネ号に載っているのでよろしくお願いします。