大阪13

大阪の堺で「全感覚祭2019」を観ました。

参加した後も未だによくわかっていないのですが、「全感覚祭」はGEZANというバンドが主催の、2014年から東京&大阪で開催されている投げ銭制の野外フェスです。
開催の直前に追加発表されたアーティスト陣がどうにも魅力的で、興味本位で一人で行くことにしました。とはいえ開催されるのは三連休の初日の大阪。一週間前では泊まれる場所がないのでは…と些か不安になったのですが、楽天トラベルを見てみたら西成のバカ安い宿が空きだらけだったので何とかなりました。

早起きして、鈍行列車で3時間以上かけて堺駅へ。ホームに降りた瞬間、一つ前の車両からモヒカンのパンクス兄ちゃんが「おっしゃ!やるぞ!」とか言いながら飛び出してきたのを見て、いきなり全感覚祭の本質に遭遇したような気がしました。目の前には派手なシャツを着て一本歯の下駄を履いたファンキーな人もいます。駅を出て、オリジナルのキャラクターがモチーフになった案内表示に沿って遊歩道をてくてく歩くと、いきなりメインステージ(ODD RED)の裏手に出てビビりました。大概のフェスにある「入場ゲート」ですが、全感覚祭にはそれすらもありませんでした…。個人的にフェスのゲートには「ここからイベントだ~」みたいな、気持ちの切り替えが行われるポイントでもあるのですが、それがない為、現実の世界から地続きの異世界へと侵入したような妙な気分になるのが面白かったです。
前述の通り「投げ銭制」を採用しているので、極端な話ライブをタダで観ることもできるのですが(その辺の判断をすべてオーディエンスに委ねているのがすごいですね)、今年はフード類もすべてタダという大胆な試みが行われていました。敬意を払って、貧乏人なりに最大限の金額を投げ銭しました。お酒もいっぱい飲みました。

当日はimai→ゑでぃまぁこん→lee→山本精一&脳内花畑→penisboys→んoon→七尾旅人→鎮座DOPENESS→KK manga→GEZAN、の順に観ました。朝から晩まで一日中いましたが非常に楽しかったです。特記事項を敬称略で箇条書きにします。
・生で聴くimaiの「XP」が格好良かった
・投げ銭で手ぬぐいとハギレがもらえた
・山本精一&脳内花畑、入り時間を間違えたため大幅に曲を削ったらしい
・フリーフードのカレーが美味かった
・penisboys野外なのに一番音がデカくてよかった
・んoonすごかった&初めて生のハープを見た
・KK mangaは本当にすごかった

とにかくKK mangaが衝撃でした。Twitterでフォローしている人が以前に「ゲボを吐いてる紫色のデブの男」の描かれたTシャツを着ていて、それがKK mangaというバンドのTシャツだと知り、やべ~イかれたバンドなんだろうな~と思っていて非常に興味を持っていました。
会場のホワイトステージ(室内)は真っ暗で、バックにスクリーンとして白い大きな紙が雑に貼られ、そこに怪しげな映像が投影されていました。現在YouTubeで聴ける楽曲は初期のボアダムズみたいなジャンクな楽曲が多いのですが、ライブハウスでの生演奏は呪術的というか邪教みたいな感じで、低音が反響してメチャクチャ格好良かったです。中盤からオーディエンスが暴れだしてハプニング状態になりました。そういえば前の方にいたおとなしめのカップルが、ライブの始まる直前に突然後方に移動していたのですが、何か察知したのでしょうか…。最後はボーカルが客席にダイブしてそのまま出て行って終了。自分もすっかり興奮状態になって、そのまま外に出て歩道を歩きながら頭を冷やしていたのですが、途中歩道脇にある石段にボーカルの人が座り込んで、鋭い眼でこちらを見ていたので本気でビビりました。