足摺・室戸1

年末に高知へ行きました。前日と1日目の足摺編です。

【足摺 / 室戸

秋ぐらいから会社の方針が微妙に変わり、それに伴って日々のストレスが溜まり、年末あたりにいよいよどうにもならなくなったので南に行くことにしました。四国の南、高知県にある足摺岬と室戸岬の二つを訪れるのが目的です。理由は特にありませんが、広域マップを見ていて何となく端の方に行ってみたくなったのです。

仕事納めの12/27に会社の大掃除が行われ、その流れで忘年会(のようなもの)も開催されたので流れるままに参加しました。年末の予定を聞かれたので「高知に行って二つの岬を見てきます」と言ったら同じ部署の人に「測量でもしてるんですか?」って言われました。忘年会では全感覚祭を知っている他部署の人と音楽の話で盛り上がり、妙な酔い方をして気絶しそうになりました。普段滅多に話をしない人にまで心配をかけてしまい非常に申し訳なかったです。でも正直に言うと普段滅多に話をしないのだから心配してくれなくていいのに…と勝手なことを思ってしまいました。本当にすみません。

12/28
一人で中古の車を走らせてひたすら南へ。車内では昨日の忘年会で話題に上がったバンドのCDばかり流していました。高速道路をひたすら南下していくのですが、高速道路は四万十町で終わり、そこから先は普通の自動車道を走ることになります。途中で知らない海岸へ行って休憩したり、道の駅に立ち寄って買い物などしながら、6時間ぐらいかけてようやく足摺岬にたどり着きました。

足摺岬、サスペンスドラマのラストシーンみたいな暗い場所なんだろうな~と勝手に思い込んでいたのですが、実際行ってみると自然が豊かで水面も澄んでいて、安全柵に囲まれた綺麗な観光地でした。展望広場ではアジア圏の家族が全てのベンチを派手な色のリュックサックで占領し、展望台のど真ん中で自撮り棒をぐるぐる振り回しながら、何だかわからない言語を叫んでいたので早々にその場を離れることにしました。

岬の近くにあった小さなスーパーマーケットで清水サバのお寿司を購入。行ったことない地方にある地域密着型のスーパーは店内の匂いも含めてメチャクチャ好きで、いつまでも居たくなるのですがいつまでも居てもしょうがないので竜串海岸へ。昨年8月に行った足摺海底館(わかば「あしずり号」を参照ください)を再訪することに。海底館近くのお土産センターの駐車場に車を止め、誰もいない砂浜へ。大きな岩に腰掛けて、海を見ながら先ほど購入したサバ寿司を食べました。頭から尻尾までの半身を豪快に使った押し寿司で、シャリもぎゅうぎゅうだったので食べ応えがありました。半分ほど食べ終わったところで、近くに「大きめのハエ」が寄ってきました。寿司の残りに興味津々のようだったので、サバ寿司の尻尾(骨とヒレの食べられない部分)を少し離れたところに置いて、そっちに行ってもらいました。本当の孤独のグルメとはこういうことなのかもしれませんね。知らないけど。

足摺海底館

足摺海底館は竜串海岸にある観光スポットです。ネットの記事と漫画「足摺り水族館」でその存在を知りました。太平洋から真っ赤な潜望鏡が突き出て四方向に伸びたような珍妙な形の建物で、螺旋階段を下っていくと丸い穴から海底の様子を見ることができる施設です。入り口にはその日の海底の透視度が数字で表されているのですが、今回の海底館は前回よりも透視度が高く、実際魚だらけで見応えがありました。てっきり夏の方が綺麗に海底の様子が観られるものだと思ってたのですが、そうでもないようです。

珍妙な海岸

竜串海岸は岩の形も奇妙でした。海の波と潮風によって少しずつ削られて不思議な形が作り上げられる…とのことです。どっちを向いても変な岩しかないので、必要以上に首を振りながら歩くことになり、疲れました。

その後廃墟と化した竜宮城をガラス越しに眺めてから高知市内のホテルへ。ホテル駐車場に車を預け、徒歩で夜のひろめ市場へと向かったのですが、年末年始に帰省した大学生や忘年会を楽しむ年配客が多く、席は一席も空いていません。何周か回ってみましたが結局ダメで、酒の匂いとタバコの匂いを服に染み込ませて外に出ました。外に出て適当にフラフラしていたら、未来科学館とかいう建物の周りで大人が数人倒れていました。

今回泊まったホテル、部屋も設備も表現しづらい絶妙な古さ・ボロさで面白かったです。大浴場の脱衣場には錆びた扇風機が備え付けられていました。コマ送りのようにガタガタの動きで首を振りながら、ドグラ・マグラの冒頭文にある「蜜蜂の唸るような音」を発して頑張っていました。つづく

【足摺 / 室戸