笹畝坑道

京都在住の友人に所用でメールを送ったら、流れで笹畝坑道に行くことになりました。

笹畝坑道は今年の2月に行ったのですが、当時は老朽化による改装で内部には入れず。余った時間を満奇洞で潰したりしました。今回も下道で2時間かけて成羽へ。「蝋人形が見たい」という彼の希望で向かった笹畝坑道ですが、そもそもなぜ彼が蝋人形を見たいのかよくわかりません。東京タワーの蝋人形館が閉館した話も知らなかったようで(というか蝋人形館があること自体知らなかった)、そこまで蝋人形に詳しいわけではないみたいです。ただ「観光地で出来たどうしようもない造形物が好き」という点はお互い共通しているので、それなりに楽しむことは出来るだろうと思いながら内部へ。

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笹畝坑道の内部は階段や分岐点があって思っていたよりも複雑な構造でした。とはいえ分岐もすぐ行き止まりになるし、基本的には中央部分の広い採掘現場がメインなので、迷うことはありません。採掘現場で作業する蝋人形は「中井貴一」似の男前ばかり。人形はどれも当時の作業着を模した服を着ているのですが、布がすり切れてぼろぼろになっていたり、薄ら汚れていたりしたのが嬉しかったです。改装工事に合わせて人形の細部まで修正されていたらたまったもんじゃありません。
採掘現場を進んだ先には恐ろしいほど奥行きのある「斜坑」や、排水の影響で鮮やかな緑に変色した岩盤など、非日常感満載の物事が随所に。坑道内に取り付けられた蛍光灯の下では、天露に濡れた蜘蛛の巣みたいな形状の苔が繁殖していました。
坑道の最深部はお酒を保管する貯蔵庫。酒屋の前によくある御馴染みの黄色いケースが積まれていて、そこだけは観光用ではない、実用的な空間でした。坑道出口から少し山を登ると「露頭」があります。既に観光された方のブログによると「ひ石(ひ 金偏に通)あるいは、鉱石が地表に露出しているところを露頭といい、鉱床を発見する場合の手がかりとなる。笹畝鉱山も、この場所が発見され、上坑道沿いに掘りすすんでいる。」だそうです。素人目に見るとなんてことない穴ぼこも、実は大変な価値を秘めてるわけですね。

来月は友人の住む京都にあるガケ書房さんで、山本精一さんのライブを観たり、京都観光をする予定です。山本さんのサイトガケ書房さんのサイトでライブの日付が違うのが些か気になりますが、無事に観られたらいいな。(追記:双方のサイトの日付が揃いました。12/14の土曜日で間違いないみたいです。)