大阪6

車でNMAOへ行きました。

この日は「ライアン・ガンダー ―この翼は飛ぶためのものではない」の展示最終日。気になっていて、ずっと鑑賞者の感想を観測していたのですがなんだかんだで予定が立てられず…。それでもなんとかギリギリ滑り込むことができました。「鑑賞者の感想を観測」って言いにくいですね。ちなみに、ガンダーが個展を日本で行うのは今回が初めてだそうです。何故東京じゃなくて大阪を選んだんだろう…。
NMAOは地下型の美術館で、エスカレーターで地下におりるんですが、B3Fまであるので、毎度自分が何階にいるのかわからなくなることがあります。今回も前後不覚になって、行き止まりになる謎の廊下をずんずん進んでしまいました。でもその廊下は過去の展覧会のポスターが並んでいて、壮観でした。
展示品は新作含む60点。受付で受け取ったデカイ作品リストには現代詩のような意味不明のタイトルが並び、MAPを見ると作品番号がランダムに点在しています。このまま何も情報を持たずに進むのが怖くなって、普段使わない音声ガイダンスを借りて鑑賞してみたところ、アナウンスの声が無駄にダンディで笑いました。

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レディメイドの人形をカスタムした作品。入り口側の壁面はこれらの作品を並べるため、フルに使われています。1体だけ純金を使用した人形がいるのですが、それがどれなのかは明かされていないとのことです。

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これはタンタンのとある話のオチの続きを表現しているらしいです。控えめで可愛かったです。

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写真は撮っていませんが、フライヤーにも使われている弓の作品も良かったです。弓の軌道は、区切られた部屋の中に入った時の鑑賞者の目線を表しているらしいです。同じ部屋にあった「違う作家の作品の形に壁を切り抜いて、その作品と同じ形のバルーンも一緒に展示する」というのも、なんか説明聞くだけでメチャクチャだな〜って笑いました。

同時開催の「ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 ―かつてない素晴らしい物語」も物凄く面白かったです。NMAOに所蔵されている作品を、似ているもの同士でペアにして展示しているんですが、マルセル・デュシャンの図像とトーマス・ルフのポートレイトの並びが絶妙で、そこだけ何度も繰り返し観ました。ガンダーの作品も2点展示されていて、その内1点が映像作品でした。ペアになっているのは泉太郎の「ひさしと団扇」でした。初めて観ました。

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「本来絵が掛けられるべきフックに何もかかっていない」や「肖像画を描いて、キャンバスではなくパレットを展示する」や「学芸員の定められた動きが作品(だがスパンが長期的なのであまり伝わらない)である」など、音声ガイダンスをもって初めて意味・存在のわかる作品も多かったです。音声ガイダンス、良いですね。