ANIMALS 2015 in 成羽

高梁市成羽美術館へ行ってきました。
現在、三沢厚彦さんによる「ANIMALS 2015 in 成羽」が開催されています。

三沢厚彦(1961-)は、樟(くすのき)から彫り出した動物達「ANIMALS」シリーズで今最も注目されている彫刻家です。東京芸術大学で彫刻を学んだ後、2000年から動物をモチーフに制作を手掛け、2001年には優れた現代彫刻家に贈られる平櫛田中賞(第20回)を受賞しました。三沢は、私達になじみ深いネコやイヌ、あるいは普段目にすることの無いヘラジカやゾウといった大型動物を、力強いノミ跡と鮮やかな彩色によってほぼ原寸大に作ります。圧倒的な存在感と共に、どこか懐かしく不思議な表情をたたえた動物達は、これまでも多くの人々を魅了してきました。2015年新春、成羽美術館では、ペガサス、ワニ、ホワイトタイガーなどの代表作を中心に最新作を含む彫刻作品48点と絵画、さらには作家アトリエを再現したコーナーも展示します。この機会に当館内のそこかしこに居場所を見つけた三沢Animalsとの出会いをどうぞお楽しみください。

川沿いの国道を車で北上。雪がちらちら舞っていました。道中、どうみても営業していないたこ焼き屋の前で車を停めている女性がいたので「えらい厳つい場所で待ち合わせしてるな」と思いました。

image12

入口に入る前に、向井修二さんの「記号のトイレ」を鑑賞。以下引用。

このトイレは、美術館の新築開館20周年を記念して、現代美術家 向井修二氏と吉備国際大学学生により記号でうめつくされ、新たな空間芸術の場となりました。無意味な記号の集合体から発せられるエネルギーを吸収し、心を開放してスマホやカメラで遊んでみてはいかがでしょう。

壁タイルの一つ一つはマジックで記号が描かれ、便器はビニルテープで装飾されています。トイレ内にもともとあった記号の「男子・女子」はそれらの「新しい記号たち」に埋もれてしまい、見落としやすくなっています。男子トイレは、トイレとしての機能がそのまま残ってました。女子の方はわかりません。

成羽美術館に入館。館内は一部の作品のみ写真撮影可能でした。
成羽美術館は自分にとって「回遊し辛い」っていうのが正直な気持ちなんですが、今回もそれを実感しました。ホントはもっとスマートな動線があるのに、自分は無意識に歩いてしまうので、同じ部屋を2度3度行かないと次の作品が見れなかったりします。でも今回の展示は「時系列に作品を並べた」って感じではなかったので、特に問題はありませんでした。
天井高の室内で背の低い動物が円形に並んでいる空間があるのですが、視線を下に集めておきつつ、学芸員の方に「こちらにも、ホラ」と言われてやっと気づくような所に彫刻を配置していたり。別な部屋では横一列に並んだ大きめの彫刻にスポットをあてつつ、ライトの当たらない暗い場所にはちゃんと、そこに似合った動物の彫刻があります。
一階のカフェ前、曇りガラスごしに自然光が差し込む吹き抜けの空間が気持ちよかったです。
会期は2015年5月31日(日)まで。かなり長いので、暖かくなってから行くのもいいかもしれませんね。