岡山 – 矢掛 – 岡山

2月7日(金)より「pieni..deux」様で開催されている「ZINE展 それぞれの本のかたち3」。
加瀬野さんと共著している「青少年教育マガジン わかば」を出展させていただくつながりで、個人制作の本も出展させていただける事になりました。各作品の搬入締め切りは木曜日だったのですが、仕事の都合で搬入する事が出来ず、結果土曜日の朝に納品する事になりました。

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その土曜日は記録的な大雪で、朝起きるとこんな風景が広がっていました。隣の部屋の女性が甲高い声で「27年間生きてきて、こんな雪初めてー!」と叫んでいました。恐らく誰かと会話しているんだと思うんですが、もしも独り言だとしたら相当微笑ましい独り言ですね。その後、電車が遅れているという情報を聞いて、「積もり過ぎた雪のせいで 街への電車が止まってしまった」というキセルの曲を思い出しました。

作品を手に、歩いて倉敷駅まで行こうとしたのですが、数十メートル歩いた辺りでトラックに泥まじりの雪解け水をひっかけられ、心が折れました。一度家まで引き返して、気を落ち着ける為に味噌汁を飲みながら「会場までどうやって向かうか」を思案。考えた結果、危険は覚悟の上で、ノーマルタイヤの車で直接会場まで向かう事にしました。でも、2号線のような大きな道は既に多くの車が通っているからか、そこまで危険ではありませんでした。まあ、岡山市内に入ってからはスリップの連続でしたが…。生きて辿り着けたのが不思議です。

死にそうな思いをしながら、どうにかpieni..deuxに到着。主催の岡野さんとは初対面。搬入が二日遅れているのにも関わらず、快く対応して下さいました。展示スペースも凄くいい位置で嬉しかったです。今回納品した本は、京都の逆バッカスこと木下智成による、「KYOTO」「雨に唄えば」を各7冊、そして「高校時代」と直筆HAIKUを封入した「HAIKU BOX」を5セット。「わかば」もあります。一生懸命作りました。手に取っていただけると嬉しいです。
他の方の出展作品を見つつ、451books様のスペースに置いてあった「しのそのへ vol.5(京都府号)」と、贈答用の本を1冊購入して一旦出ました。

13時に加瀬野さんと合流。19時のトークイベントまで時間がかなりあるため、当ても無く北へ向かいました。道中「安倍晴明ゆかりの地 5.0km」という案内表示を見つけて、寄り道する事に。轍にそって山を登って行ったのですが、途中で雪にはまってしまい、進む事が出来なくなってしまいました。Uターンも出来ないので、雪の山道をバックで1kmほど戻り、広い場所でなんとかUターンして下山。やはり雪を舐めてはいけませんね。でもJAFなどのお世話になることは避けられたので、良かったです。

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明確な目的も無く矢掛に到着。とはいえそのまま帰るのも寂しいので、「柚餅子」を買うことに。菓子店を探していた所、「井上冨士井堂」という菓子店を見つけました。加瀬野さんが「柚餅子ありますか」と聞いたところ、店のおばちゃんが「ウチは柚餅子は売ってない、オススメは柚子もなかと矢掛石」と言いました。どちらも聞いた事の無いお菓子だったので、詳しく教えて頂いて、「矢掛石」というお菓子を一つ購入しました。昔矢掛で採掘されていたという石をモチーフにしたお菓子で、矢掛石の特徴である「白い筋」がお饅頭の上部に再現されています。中身は黄身餡。ちなみに矢掛石は採掘されきってしまい、現在は掘っても出てこないらしいです。
「井上冨士井堂」は、店内のディスプレイが雑然としていて格好良かったです。地元のお菓子屋さんといった感じのお店。こういうお店で購入するのは緊張しますが、とても優しいおばちゃんだったので安心しました。超ヴィヴィッドな彼岸花の写真が飾られていたり、1歳の孫の為に作った雪だるまが表に飾られていたりと、見所がいっぱいありました。

「柚餅子を買うならこの先にある佐藤玉雲堂さんで買うと良いよ」と言われて、「佐藤玉雲堂」へ。篤姫が食べたという「最古の柚餅子」を再現した物があったので購入しました。「佐藤玉雲堂」は大河ドラマの「篤姫」つながりで、NHKの番組に出た事もある有名店だそう。NHKの裏話も色々教えてもらいました。店舗自体は普通の大きさなのですが、工房などが奥にある、細長い造りになっています。店舗奥の廊下を覗くと、一番奥の部屋は見えないほど遠くにありました。昔は「大通りに面する間口の広さで、土地建物の価格が決まっていた」から、このような造りになったのだそう。周辺のお店もほとんどが細長い造りになっているらしいです。

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雪も殆ど溶けた夜道を車で走り、再度「ZINE展」へ。19時のトークイベントに30分遅れで到着しました。出展者が自分の作品を紹介したり、お客さんの質問に回答する、座談会みたいな形のトークイベントでした。トークイベント終了後、あじ仙で食事。「ああいうところで格好良いこと言うようになったら『わかば』も終わりですよね」と言い訳のような事を言って別れました。
※写真はZINE展のブログから無許可で引用しました
ZINE展 それぞれの本のかたち3」は、2月16日まで開催されています。是非!