大阪9

大阪で一人でいろいろやってきました。

トリプルファイヤーが関西圏に来るのは珍しく(以前スカートの対バンで来てました)、自分の住んでいる中国地方にはほとんど来ていないこと、そしてボーカルがいつ神主になってもおかしくないことなどいろいろと考え、観られるうちにと、こちらから行ってみることにしました。

ライブを主軸に、行きたいところを挙げてみたのですがあまり見つからず、ヌワラ カデで食べたことないご飯を食べて、ボルタンスキー展を見るというのだけ決めて、あとは当日現地で考えることにしました。前回の大阪では普通列車の乗り換えに失敗して予定が全部ダメになったので、今回は間違えないようにと早めに出発したのですが、早すぎて午前中には着いてしまいました。

オープンとほぼ同時に訪れた「ヌワラ カデ」。カウンター席の真ん中あたりに案内されました。店員さんは全員外国人、でっかいモニターで流れる映像は見たことない異国の映像。お洒落なカフェやクラブみたいな場所は萎縮しがちですが、あまりにも何も通用しない場所に来ると逆にフラットになります。
分厚い紙製のメニュー表をパタパタ見ていたら店員さんが近づいてきて「おすすめはNUWARAプレート」「辛いの大丈夫?」など日本語で細かく確認してくれました。続けてプレートの具材の種類を教えてくれたのですが、「チキン、マトン、フィッシュ、ポーク、えび、猪、鹿、ホルモン、ヤギ、ズリ…」とどんどんメニュー表にないものが挙がってきたので「ヤギ」を注文しました。ライオンビールを注文すると「ビール飲みますか」「アテなんにしますか」と聞かれて、アテは別にいらなかったんですけどオススメだという「ひよこ豆」を注文しました。

アテのひよこ豆。蒸したホクホクの豆・芋にスパイスで味付けたものです。今まで嗅いだことのない複雑な香りで、辛味もあって美味しかったです。ライオンビールはパッケージがかっこいい。味の違いはよくわかりませんでした。

こちらが初めて食べるスリランカカレー(ヤギ肉)です。美味しかった…。「混ぜて食べて」の言葉に従ってぐちゃぐちゃに混ぜて食べると、ビーツ・豆・野菜ピクルス・オレンジ色の謎の粉が醸し出す酸味・甘味などの味覚あれこれがカレー自体の辛味にプラスされ、口の中と舌の上が軽くバグります。スプーンひとさじに含まれている情報量が多すぎて、途中で何食ってるのかわからなくなるのが面白かったです。ヤギ肉はクセはないけど今まで食べたことない味の肉で、食べたことないものを食べようとしていた自分としてはドンピシャで感動的でした。次は鹿を食べようと思います。

阿波座から徒歩で移動して国立国際美術館へ。ここで開催中の「クリスチャン・ボルタンスキー展 Lifetime」を見ました。
個人的にボルタンスキーと言えば「心臓音のアーカイブ」の印象が強くて、やはりここでも心臓音がドンドン鳴っていました。音声ガイド確認したところボルタンスキー自身の心臓音らしいです。自身の心臓音がエンドレスで流れる部屋の周りには「ボルタンスキーの今まで生きた秒数が進行形でカウントされる作品」「アトリエに設置したカメラでボルタンスキーのこれからの制作の様子が全て保存される作品」など「自身の生死」に関する作品が多くありました。心臓音から離れた部屋には見知らぬスイス人や見知らぬ子供など「他者の生死」にまつわる作品、最後の方には展示の死を表現した作品まで並んでいて、初めから終わりまで「生死」という1本のテーマでまとめているのが気持ち良かったです。
三面スクリーンを用いた映像作品の部屋に「鉄パイプが発する音を使って近くの海域にいるクジラと対話を試みる」という映像作品が流れているのですが、左中央に結構な太さの柱があるのが気になりました。右スクリーンにクジラの居る海域が映り、左スクリーンにクジラの骨が映っているのですが、骨の映像が柱で一部隠れていました。建物の構造上しょうがない事なんですが…。

美術館を出たのが13時半。ライブの開場までまだ4時間近くあります。「なんかないかな」ってなりながら梅田と心斎橋をウロウロしましたが何も見つけられませんでした。1人なのでとにかくずっと歩いて、主にレコード屋と古本屋を巡ったんですが金もなく何も買えず。途中で永ちゃんの展示というパワーワードを見つけて、ちょっと気になったんですがよく調べたら前日の20日で終わってました。結局ライブの開場まで4時間、無意味に歩いて足を腫らしただけなので、もったいない大阪旅行だなと思いました。

トリプルファイヤーのライブですが、大変素晴らしかったです。ナマで見られて本当にうれしい…。ボーカルの声が音源よりも力強く響くので、「Jimi Hendrix Experience」のように何が言いたいのかわからないけど強目の言葉が連発される曲なんかは、amazonのレビューにも書かれている通り、もはや説法の領域でした。ライブ映像などで聴ける「鋭いアドバイス」は元々「アドバイスしてくる先輩を穿った見方する奴」の歌だったはずなのに、今回のライブでは「すぐ辞めるはずだった仕事にやりがいを見出してしまった」みたいな全然違う内容になっていて格好良かったです。未発表の新曲も1曲披露されました。曲の進行に合わせてどんどんテンションが上がっていく新しいタイプの曲で、終盤に爆発するボーカルが気持ち良かったです。ベースラインもすごかった。
その他「スピリチュアルボーイ」「サクセス」「思ってないと言わない」「バー」などのスタジオ音源で発表されてない楽曲が立て続けに披露されて、恐らく近々出る新作に収録されるのではと思っています。「スキルアップ」も「カモン」も聴けなかったけど大満足でした。ワンマンが見たいです。

Tシャツ買いました。想像以上にいい生地とプリントでした。