直島

梅雨の時期ではありますが、直島まで行ってきました。

この日は、大竹伸朗による新作「Book#1/記憶層」が国内で初公開&記念トークイベントが開催された日。かなり久しぶりの来島のため、港までの距離感を忘れてました。宇野港へちんたら向かっていたのですが、危うく乗船に間に合わなくなるところでした…。

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午前中に直島銭湯に入湯。本当は最後に入る予定だったのですが、トークが押したら入れなくなるし、トーク終わりはファンが詰め掛けるんじゃないかと思って先に入ってみました。予想通りほとんど人はおらず、快適でした。ちょい熱めの湯に浸かりながら、アンビエントミュージックを聴いて天井画を眺めていたら気持ちが薄ぼんやりしてきて、「もうコレで帰っても良いのでは…」という気分になりました。タオルは黄色を買いました。

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前日にベネッセアートサイトの公式サイトを眺めていたら「きんざ」の予約に空きがあったので予約後、鑑賞。内藤礼の「このことを」という作品(空間?)を1人で15分間鑑賞できます。前回鑑賞した際はほぼ座っていたので、今回は立ち上がったり色々な視点で眺めましたが、特別新たな発見はありませんでした。最終的に背の低い丸い椅子に座って足を放り出して眺めていたら「ノスタル爺の最後のコマ」が頭に浮かびあがり、鑑賞後にスマートフォンで「ノスタル爺 ラスト」で画像検索しましたが、そこまで似ていませんでした。

ベネッセハウスミュージアムまで徒歩で移動。気温の高さと湿度の高さで気が狂いそうになりながら、40分ぐらい歩きました。道中、背中のざっくり開いたパツキンガールや、海の中で立って本を読む青年をみかけましたが、いずれも幻だったかもしれません。
新作「Book#1/記憶層」は巨大な本です。以前東京でスクラップブック「65」を見たときと同じ、酢酸のような匂いがしました。
今回の本はシンガポールの「STPI」で行われた展覧会に合わせて作られた本で、全てのページがシルクスクリーンで印刷されているとのこと。カバー部分のみ日本(宇和島)で作りあげたそうです。パルプを使った作品はあまりピンとこなかったのですが、巨大絵のモチーフを風景画にした理由などはなるほどってなりました。第2部ではSTPIの方によるトークもあり、都築さんのメルマガで見た内容をより深く掘り下げた話で興味深かったです。途中に出た「記憶」「作為・無作為」「考えないでやる」などのキーワードは、過去のトークイベントでも頻出しているワードで、この人は軸がブレないな〜って思いました。
ちなみに今回の新作のタイトルになっている「Book#1」というワードの意味は「今回の作品に番号をつければ、今後巨大本がシリーズ化する可能性につながると思ったから」だそうです。しかし、シルクスクリーンで300ページの両面刷りというのがとんでもない作業量であることは素人でもわかります。STPIの人も控えめではありますが「勘弁してくれ」的なムードを漂わせていました。