広島3 – 真備

現在、広島市にある「旧日本銀行広島支店」で、Chim↑Pom展「広島!!!!!」が開催されています。

Chim↑Pomによる、「核といま」をテーマにした展覧会。社会的騒動となった「ピカッ騒動」を検証した書籍「なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか」の出版記念を兼ねた、東京・原宿のVACANTで初の「広島!」展を皮切りに、「!」をひとつずつ増やしながら東京2か所(どちらも2009年)、ソウル(2010年)、埼玉の原爆の図丸木美術館(2011年)へと巡回。広島とアメリカへの巡回をひとつの目標として発展しつづけている。

東日本大震災と福島第一原発事故の影響がまだ強かった2011年末に行われた原爆の図丸木美術館では、展覧会タイトルを「LEVEL 7 feat. 『広島!!!!』」と改名。広島だけでなく、同年に制作された福島に関する作品群も加え、「核といま」を一層押し出したChim↑Pomの活動と、原爆芸術の最高傑作といわれる「原爆の図」を同時に鑑賞できる、文字どおり歴史的な機会となった。また「広島展」は、展覧会だけでなく毎回さまざまな人によるトークイベントやライブなどもおこなわれ、問題提起の場となっている。

2013年7月には、広島のギャラリーGのよびかけで、広島市内11か所のギャラリーや飲食店、ライブハウスなどの協力のもと、「『広島!!!!! 展』準備展!」が実現。同年12月に被爆建物として有名な旧日銀広島支店で「広島!!!!!」展開催が決定している。広島での展覧会の話は、ピカッ騒動の影響によって中止となった2008年の広島市現代美術館での個展以来である。

これまで広島展は独自に開催費用を捻出するインディペンデントな要素の強いイベントだったが、今回の「広島!!!!!展」も、準備展にて作品を一般販売した資金で開催される。

2008年の「ピカッ騒動」で開催中止となった広島市現代美術館での展覧会。あの騒動以来、もう広島では開催されないんじゃないかと思ってましたが、場所を変えて5年越しの開催となりました。おめでとうございます。

ピカッ騒動の発端となった作品「広島の空をピカッとさせる」だけは2008年当時から今まで、ずっと苦手でした。ただ「自分がこの作品を苦手な理由」が自分でよくわかっていませんでした。”地元民の神経を逆撫でしている”という理由で苦手だとするなら、東日本大震災に関連する作品群も苦手になりそうなものですが、そうではありません。”戦争はそんなにライトに扱うものではない”という理由で苦手だとするなら、2013年に発表した「平和の日」という作品も戦争をモチーフにしているため苦手になるはずですが、そちらの作品は苦手ではありません。なぜか「広島の空をピカッとさせる」だけが特別苦手なのです。
※Chim↑Pomの作品だけでなく、その後に別のアーティストが発表した「原爆ドームの上空に黒い花火を打ち上げる作品」も苦手です。

Chim↑Pom 広島上空にピカッを描き問題になり展覧会を自粛し中止に
広島 Chim↑Pomの「ピカッ」はダメでも ツァイ・グオチャンの「黒い花火」はOK

前日にChim↑Pomの「芸術実行犯」と、井伏鱒二の「黒い雨」を再読。単身広島へ向かいました。

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今回の展覧会の会場となった旧日本銀行広島支店は、戦争によって被爆した被爆建物です。クラシカルな外観ですが、内部もイカしてます。当時使用されていた窓口がそのまま残っていたり、地下には重厚な巨大金庫もあります。

会場内は1Fと地下1Fに分かれ、1Fには千羽鶴を用いた巨大インスタレーション作品「PAVILION」、平和の火を使って焼き上げた絵画作品「平和の日」などの新作が並び、地下1Fには2011年の東日本大震災をモチーフにした作品などの近作が並びます。震災被害にあった若者たちと被災地で円陣を組む「気合い100連発」という映像作品が良かったです。作品の量を思えば、入場無料なのが信じられないような規模の展覧会でしたが、館内には募金箱がありました。

どんなに深刻なテーマでもポジティブに表現する姿勢が、若者にウケてるんだろうな、と思いました。作品をじっくり見ているのは若い女性が多く、年配の夫婦は早足で通り過ぎていきました。

前述の「広島の空をピカッとさせる」も地下1Fに展示されていました。長い時間映像と向き合い、苦手な理由が「作品のスピード」かもしれない、と思いました。

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夕方、母を連れてマービーふれあいセンターへ。第7回おやじバンドコンテストというイベントで、私のおやじがドラムを叩く様を見ました。普段と形態の異なる変名バンドでの登場でしたが、大変格好良かったです。実家の私の部屋がドラムの練習部屋(散らかり放題)になってしまっているのも許せました。