粟島 – 高見島 – 丸亀4

瀬戸内国際芸術祭2013、相変わらず満喫させてもらってます。
この日は粟島高見島に行きました。帰宅後に見返したら、いやー、写真が暗い暗い。

粟島高見島と2つの島を1日で巡ります。前夜、「せわしない旅行になったら嫌だな」とか思いながらプランを練りました。しかし多くの人は「粟島高見島本島」を1日で巡っているそうです。どんな工夫をしているんだろう。
朝5時に起きて瀬戸大橋を渡って須田港へ。5時起きの時点で既に相当せわしないわけですが、電車やシャトルバスを乗り継いで無事に着きました。

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須田港の待合所が作品になってました。「須田港待合所プロジェクト」という作品です。新旧の待合所をつないでひとつの空間にしているそうです。つながりを表すのに使用した素材がロープなのが可愛らしくて好きです。

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午前中はUFOみたいな形の粟島に滞在。作品を鑑賞できるのは9時半からと聞いていたのですが、殆どの作品が9時半より前から見られるようになってました。事前に聞いていた滝沢達史さん・麻生祥子さんの「スサノヲ」「凪に漕ぎ出す」が良かったです。「凪に漕ぎ出す」の設営、大変だったんじゃないかと余計な事を考えたりしました。「スサノヲ」の2階からは襖に秘められた可能性を感じ、古い襖を片っ端から剥がして中に隠された物を見たくなる衝動にかられました。

佐々木類さんの「Subtle Intimacy」も良かった。2帖の小さな部屋で植物が美しく輝いていて、理科の教科書を思い出しました。一度に入れる人数が7人までと制限されていて、かなりの行列になっていました。10分経っても前の人達が出てこなかったのですが、そんなときにスタッフ同士が小声で「時間過ぎとるよ」「カメラ女子が大量に入っとるから…」と言い合っていたのが面白かったです。ちなみにカメラ女子達は大きなリュックを背負って、粟島小学校のmt展の方へ消えました。

島民の方の「どの美術家さんも島と作品を関連づけてくれていて、それが嬉しい」という言葉が何となく記憶に残ってます。

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粟島海洋記念館は、内部の作品はもちろん面白いんですが、資料コーナーが素晴らしかったです。全く人気のない細長の広いスペースに、船の模型や海図資料などが大量に展示されています。大正9年に建立された海員学校ですが、そんなに遠く感じない、どこか馴染みのある雰囲気を醸し出しているのが不思議でした。中庭の石畳は大正10年に海員学校の学生が作り上げたらしいです。

そして人気の「コッペサンド舎」はちょっと油断していたら、40分待ちの行列。諦めました。悔しい。

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午後が来て、アボカドみたいな形の高見島へ。粟島と高見島をつなぐ高速船は、今まで乗ったどの船よりもよく揺れました。
到着するなり「『板持廃村再生プロジェクト』は一部冠水しており終日公開中止」というアナウンス。「廃村を閲覧可能な状態に復元し、その姿を提示する」という作品で、規模も大きく、かなり期待していた作品だっただけに残念です。

島内のあちこちに黄色い旗が立っていますがこれも「畏敬・よみがえる失われたかたち」という作品。市内の幼稚園児、小学生、中学生が作成した総数3000枚の旗をあらゆる場所に立てています。旗が等間隔に設置された広場は圧巻です。悪天候にも関わらず、ポジティブで明るい印象を受けました。この日は強風だったので旗がよくなびいてました。はためきの音を6分録音。

男木島のような急坂を登って作品鑑賞。「蛸の家」「除虫菊の家」など現地を意識した作品が多かったです。「蛸の家」は入口の屋根からスズメバチが落ちてきたり、急な階段で子供が転げ落ちたり、いろいろ大変な展示でした。「除虫菊の家」の入口に置かれている蚊取り線香は、片方に火をつけるともう片方から煙が出てくるという不思議な代物、との事です。本当かな。内部に展示されている花畑の写真は高見島の山頂で撮影されたもので、昔は除虫菊が大量に栽培されていた事を証明しているそうです。

写真は撮影できなかったのですが、一番好きだったのが迫鉄平さんによる「サブミッション・ハウス」。シルクスクリーンの作品や映像作品が室内の至る所に展示されていますが、モチーフが他の作家の作品とは全く違っていて、とてもかっこよかった!「ディスコのような空間にしたかった」そうです。高見島でこんな展示が見れるとは思ってなかったので嬉しかったです。

帰りに丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館で、「From Ohtake Shinro Library」を見学。
大竹さんが所有している、奇書・珍書の数々。恐らく一生見る機会が訪れないであろう本ばかりです。300年以上前の洋書とかもありました。ちなみにスタッフの人にお願いすれば、手袋を装着して中身を見ることも可能らしいです。フランク・ザッパの非公式同人誌というのがちょっと気になりましたが、外から眺めるだけにしました。
あとニューニューの図録も予約しました。予約時のシート記入があまりにもな悪筆で、スタッフの方に迷惑をかけたので、これからは字を練習しようと思います。発売日はまだ未定らしいですが、いつまでも待ってます。