地獄 – 宇野 – 直島

朝9時にTOHOシネマズ岡南で「地獄でなぜ悪い」を鑑賞。
映画館で映画を観るのは2年ぶりです。
長年岡山に住んでいますが、TOHOシネマズ岡南は(多分)初めての来館。

園子温監督の新作「地獄でなぜ悪い」。
ヤクザの組長が獄中にいる妻の出所祝いに、娘を主演にした映画を撮る。
そこに、対立する組と映画オタクと全然関係ない青年が絡んで
メチャクチャなクライマックスを迎えます。
園監督の最近の映画は「冷たい熱帯魚」「恋の罪」「ヒミズ」など
実際の事件や震災を絡めた映画が多かったですが、
今作は登場人物がもれなくバカでハイテンションなので、ただただ笑えます。
※今回の話も監督の実体験がベースになってるそうです
演出過剰で、突き抜けたコメディ。面白かったです。

そこから南下して宇野港へ。
この日はわかばでおなじみの加瀬野裕介さんの個展初日。
宇野港近く、駅東創庫内のギャラリーで開催されています。
入ってすぐ左手にあるスーパーハウスみたいな建物の中から加瀬野さんが登場。
中を案内してもらいました。

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ラボラトリーみたいな怪しい会場内。この室内に8点+αの作品が展示されています。右下のキャップが加瀬野さん。左にいるアシストの女性(外国人)と共に、展示作品にあれこれ手を加えてました。

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入ってすぐの作品が「石が転がっているようだ」。回転するレコードの盤面に大きさの異なる石が載っています。左奥にあるストロボの点滅によって、石が転がるアニメーションに見えたり見えなかったりしています。
レコード針のかわりにこよりを使用して音を出しているらしいのですが、「アンプの調子が悪くて音がでない」と言ってました。ちなみにレコードはBOB DYLAN / THE BANDの「偉大なる復活」。石が置いてある溝部分に「Like a Rolling Stone」が録音されているという細かすぎる演出も見逃せません。

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卓上作品「サラダ」。サラダスピナー内で植物を栽培していて、その側面をゾートロープ仕様にしています。鑑賞者が上部ハンドルを使って回しながら側面から覗くと成長の異なる植物が伸びたり縮んだりするアニメーションになったりならなかったりしていました。
ほとんどの作品にはモニター・スクリーンが付属していて、2種類の方法で作品を観る事が可能です。直接見るアナログ的な鑑賞方法とモニター・スクリーンを通したデジタル的鑑賞方法は受ける印象が全く異なるので、1粒で2度おいしいです。

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全体像が撮影できなかった「回す」。糸車とでっかいリールが綿で繋がれています。ひっくり返ったリールがデュシャンの車輪みたいにも見えます。綿はでっかいリールを経由して、展示室隅のハムスターの小屋内、オモチャの回し車に繋がっています。加瀬野さんが飼っているハムスター(名前:ハム)が小屋の中にいて、ハムが回し車で遊ぶと糸車・リールが連動して回転する作品なのですが、「遊ばないで、綿を集めて寝床にしちゃうんですよ」との事。回し車に引っ掛けた綿が全部外れて、回し車の下に寝床が出来上がってます。芸術家も動物の本能には抗えないし、動物は芸術よりも生活の方が大事、ということを突きつけられているみたいです。作者の意図とは違う所でテーマを持った作品になっていました。

既に開催された展示ですが、今後も内容に手を加えていくらしいです。
開催期間は10月14日の月曜日まで、朝10時〜17時、入場無料。駅東創庫の公式サイト…と、なんでここまで宣伝するのかわからないけど情報を羅列。

この際、地図も載せておこう。色んな人に見てもらいたいです。

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予定もないので、宇野港の芸術祭作品を見てから帰る予定でしたが
ちょうど直島行きの旅客船が来ていたので乗船。
勢いで直島にやってきました。
平日だし、前日の台風の報道もあって、あまり人はいませんでした。
5年ぶりに家プロジェクトなどを見学。碁会所の案内が物凄く丁寧でした。
直島銭湯も再入湯。男湯と女湯が定期的に変わるらしいのですが、
運良く、前回来島時と違うお風呂に入れました。
タイミングも良かったのかほぼ貸切状態。久しぶりに足を伸ばして湯に浸かりました。

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夕方、宇野に戻って街中写真プロジェクトを見学。
会場の通り道になっているbollardで、細いお箸を1膳買いました。
細い箸で食べると必然的に食事のスピードが遅くなるので、少量でも満腹感が得られそう。
自分も芸術より生活が大事です。