伊吹島

代休を貰ったので、かねてから行きたいと思っていた伊吹島へ行きました。

現在、瀬戸内国際芸術祭の会場にもなっている伊吹島。「船が激混み」とか「島スープが即完」とか「坂が多い」とか「暑い」という噂を耳にしており、期待と不安、半々ぐらいの感じでした。坂出駅〜観音寺駅の電車移動が結構長かったです。観音寺駅から歩いて20分で港に到着。ちなみに、駅から港までは無料バスで行けるらしいです。

観音寺港→真浦港を結ぶ船「ニューいぶき」は噂通りの混み具合。そして着いたらすぐに待ち受けているのが急斜面。さらに直射日光&照り返しで頗る暑い。噂はすべて本当でした。でも、島スープはどうしても飲みたかったので、急斜面を駆け上がるようにしてお店の前へ。この日は50食限定販売で、自分が到着した時にはすでに人数オーバー…。しかし、「分ければ何とかなるでしょ」「ちょっと待ってて下さい」と係の方が動いて下さったおかげで、販売数が50食→60食に調整されました。良かった。
※この日のスープは10時55分で完売したみたいです。

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伊吹島の島スープは冷製スープでした。イリコを収穫するときに取れる「副産物」と野菜をふんだんに使ったスープ。ここ数日は忙しく、冷凍カレーばっかり食っていたので、本当に幸せでした。ちなみに沙弥島ですでに島スープを飲んだ人は、パスポート内、地図上の伊吹島にハンコを押してもらえます。

とりあえず一番の目的は達成できたので、あとは反時計回りに作品を見ながら島内散策。ギリギリで成立している建物や草に飲み込まれながらも存在を主張する建物など、伊吹島の建物はどれももれなく力強い。豊島とはまた違う魅力にあふれています。

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おそらく島の一番高い所にある「伊吹島レインボーハット」。途中で係のおじさんがギミックを動かしてくれました。綺麗。天井部には蝉の抜け殻が大量に引っ付いていたり、あちこちに蜘蛛が巣を作っていたり、作品と自然が共存している素晴らしい空間でした。個人的には伊吹島で一番好きなスポットです。ちなみにこの「伊吹島レインボーハット」を一番に見れば、あとの道はほぼ下りになるので、一番にこの作品を見てからゆっくり散策すると少し楽かもしれません。何度も言うようですがとにかく坂が多いので!

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伊吹島には結構な数の猫がいて、普通に歩いているだけでもあちらこちらで見かけます。が、殆どの猫が眠っていました。「トイレの家」という作品内には、涎を垂らして眠る猫も…。安眠なのかぐったりしてるのかわかりませんが、とにかく癒されます。猫の写真は(媚びているみたいで嫌だから)意識的に撮らないようにしているのですが、日陰や風通しの良い場所を選んで眠ってますね…。ほんと可愛いですね…。

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小学校の校舎内部をまるごと使った作品「沈まぬ船」。カラフルな物体は浮子と思われます。小さな魚が群れをなして回遊しているようにも見えますね。ちなみに展示場所はこの1部屋だけではありません!予想以上に壮大な作品でした。とにかく度肝を抜かれますので実際に行って見て下さい。途中に挟まれたミュージアムショップで、いりこの柄のmtを買おうと思ったのですが、売ってませんでした。販売終了との噂もあります。残念。ちなみに校舎内は「沈まぬ船」ですが、校舎となりの体育館はまるごと「大岩島2」という作品になってます。大岩オスカールさんによる巨大なドローイング作品。3年前の男木島も凄かったですが、今回のも最高です。

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伊吹島の一番の見所はおそらくこの「伊吹しまづくりラボ」でしょうか。伊吹島の中で1つだけかなり離れた場所にある、ということで気になっていたんですが、作品に続く唯一の道がとんでもない傾斜。ドラえもんの「さか道レバー」のラストを彷彿とさせる…とまで言うと大げさですが、油断したらずり落ちそうな角度の坂道。そして海沿いをまっすぐ歩くと、この巨大な建物にぶつかります。

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内部はこんな感じ。「網元の加工場跡地の中で、伊吹島について徹底的に考える」みたいなテーマの作品。雑然とした1Fは廃墟好きも満足できる仕上がりで、2Fは調査結果をまとめた資料を置いた部屋が整然と並ぶ、学習発表会みたいな空間。随所に段ボールが多用されていて、手作り感あふれる温かい感じが凄く良い。手押し車をひっくり返して作ったベンチや、段ボールを固めた映像室のイスなど、遊び心に満ちあふれてます。2Fには小学生・中学生の描いた絵が掛けられているのですが、雑誌から「伊吹いりこ」のテキストを切り抜いていたり、雑誌の上に直接クレヨンで描いていたりと、一筋縄ではいかない絵画作品が多かったです。

3時間たっぷり回って、濃密な旅行が出来ました。直島・豊島を巡るのも勿論良いですが、伊吹島も凄く良い島です。ただ急坂が多く、直射日光が厳しいので、道に迷ったりすると本当に倒れかねないのが怖いです。幸いなことに開放されている休憩所がそこかしこにあるので、上手く活用しながら巡るといいですね。